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有価証券報告書情報を使った企業研究まとめ|就活生・転職者の企業研究

ニュースリリースと適時情報開示(IRリリース)の見方。

      2015/03/05

企業のウェブサイトで「採用情報」ばかりを見ていませんか?それだけでは会社が開示している重要な情報を見逃している可能性があります。

企業のウェブサイト上にある「ニュースリリース」または「投資家情報」の中にある「IRリリース」、ここには就活生が活用できる情報が豊富に含まれています。


今回はその中でも、就活生が必ずチェックすべき4つの項目をご紹介します。

 

ニュースリリースとは?

ニュースリリースとは、広報及びIR目的でマスコミや投資家向けに発信する情報のことです。多くの会社では会社のホームページでニュースリリースを掲載しています。

 

また、ニュースリリースをメールで届けてくれるメール配信サービスをホームページから申し込める会社が多くありますので、気になる会社がある場合、メールサービスの設定をしておいた方がいいでしょう。

 

ニュースリリース自体は、特に何を掲載するかについて決まりはありません。会社が公表すべきと思う事項を公表すれば良いのです。

 

適時開示情報(IRリリース)とは?

ニュースリリースには、何を掲載するかについて決まりはありませんが、「投資家向け情報(IRリリース)」には決まりがあります。

 

上場している会社は証券取引所の規定で、一定の事実が生じたとき、それをタイムリーに公表しなければいけないことになっております。

 

これを適時開示情報といいます。

 

一定の事実とは、例えば東京証券取引所でいうと下記サイトに掲げられている事項になります。

http://www.tse.or.jp/rules/td/yousei.html

 

上記のサイトに掲げられている事項が発生した場合、会社は必ず「適時開示情報(IRリリース)」として公表する必要があるのです。

 

適時開示情報(IRリリース)の入手方法

会社の適時開示情報(IRリリース)をは入手するには2通りの方法があります。

 

1.東京証券取引所のサイトから入手する方法

適時開示情報は、東京証券取引所の下記ページから入手することができます。

https://www.release.tdnet.info/index.html

気になる会社の「適時開示情報」を上記サイトから検索することで、誰でも情報を入手することができます。

 

2.会社のホームページ上から入手する方法

上記サイトにアクセスしなくても(上記サイトは1か月分の情報しか掲載されていないこともあり)、多くの上場会社は自社サイトでIRリリースとして個別にあるいはプレスリリースの一つとして、適時開示情報掲載しています。

 

下記の例を参考に、気になる会社のホームページから適時開示情報(IRリリース)の一覧を探してみて下さい。

 

①IRリリースとして掲載している例 (㈱タカラトミー)

㈱タカラトミーでは、TOP PAGE>投資家情報>企業・IRリリース より一覧を閲覧することができます。

http://www.takaratomy.co.jp/release/index.html

 

②プレスリリースの中で適時開示情報を掲載している例 (三菱商事㈱)

三菱商事㈱では、TOP PAGE>プレスルーム  から閲覧できる、プレスリリースに適時開示情報が含まれています。
(下記のサイトに青色四角に白地で「適時開示」と書かれているもの)

http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/

 

就活生、転職希望者がチェックすべき適時開示情報(IRリリース)

前述の通り、会社の適時開示情報にも様々な種類があります。

 

この中で就活生や転職希望者がチェックすべき適時開示情報を紹介していきます。

 

1.最近リストラを実施したか?

「人員削減等の合理化」は適時開示が求められる項目の1つです。

 

そこで、適時開示情報(IRリリース)の一覧で「早期退職優遇制度の実施について」等の項目があるかどうかをチェックすることで、リストラ状況を把握することができます。

 

例:ルネサス エレクトロニクス株式会社 「早期退職優遇制度の実施について」

http://japan.renesas.com/press/news/2014/news20141029c.jsp

 

また、リストラ情報はプレスリリースでも開示されることがあります。

例:東京電力株式会社 「希望退職者の募集について」

http://www.tepco.co.jp/cc/press/2014/1235149_5851.html

 

2.経営状態が悪化していないか?

会社の経営状態が悪化またはその兆候がある場合に、その旨を適時開示情報として開示する必要があります。

 

例えば以下の様な適時開示情報がある場合、会社の経営状態が悪化もしくはその兆候が存在する可能性があります。

  1. 継続企業の前提に関する事項の注記
  2. 破産手続開始、再生手続開始又は更生手続開始の申立て
  3. 債務超過又は預金等の払戻の停止のおそれがある旨の内閣総理大臣への申出(預金保険法第74条第5項の規定による申出)
  4. 特定調停法に基づく特定調停手続による調停の申立て
  5. 手形等の不渡り又は手形交換所による取引停止処分
  6. 債務免除等の金融支援
  7. 社債券に係る期限の利益の喪失
  8. MSCB等の転換又は行使の状況に関する開示
  9. 債権の取立不能又は取立遅延
  10. 免許の取消し、事業の停止その他これらに準ずる行政庁による法令等に基づく処分又は行政庁による法令違反に係る告発

また、適時開示情報の1つである、業績予想修正(下方修正)において、予想値と実績値の差があまりにも大きい場合、経営状態が悪化している可能性があります。

 

3.会社の事業や形態に大きな変化は起きていないか?

会社の事業や形態に大きな変化が起きた場合、会社はその旨を適時開示情報として開示します。

 

下記内容の適時開示情報がある場合、そのIRリリースを読み、どの様な変化が起きているかを把握しておいた方がよいでしょう。

  • 合併等の組織再編
    →会社が他の会社に合併される、または重要な事業を譲渡した場合、会社の事業内容・形態が大きく変化する場合があります。以下の適時開示情報はチェックしておきましょう。
    (1)合併等の組織再編行為
    (2)子会社等の異動を伴う株式又は持分の譲渡又は取得その他の子会社等の異動を伴う事項
    (3)事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け
  • 大株主の異動
    →会社の最終的な支配者である大株主が異動することにより会社の事業や形態が変化することがあります。以下の適時開示情報はチェックしておきましょう。
    (1)主要株主又は主要株主である筆頭株主の異動
    (2)発行する株式等の募集又は株式、新株予約権の売出し
    (3)公開買付けに係る意見表明等
    (4)親会社の異動、支配株主(親会社を除く。)の異動又はその他の関係会社の異動
    (5)株式無償割当て又は新株予約権無償割当て
    (6)
    支配株主等に関する事項の開示
  • 役員の異動
    →役員に異動が事業に影響を与える場合があります。また、役員面接対策としても直近の状況を把握しておきましょう。代表取締役又は代表執行役の異動は適時開示情報上、必ず開示するべ項目ですが、その他の役員の異動等はプレスリリースで開示される場合もあります。
  • その他
    →その他、下記の適時開示情報がある場合、会社の事業や形態が変更している可能性があります。内容をチェックしておいた方がいいでしょう。
    (1)新たな事業の開始
    (2)事業の全部又は一部の休止又は廃止
    (3)業務上の提携又は業務上の提携の解消
    (4)取引先との取引停止
    (5)訴訟の提起又は判決等

4.不正や不祥事等が起きていないか?

会社で不正や不祥事が起きた場合、またはその兆候がある場合に、以下の適時開示情報から読み取れる場合がありますので、内容を確認しておいた方がよいでしょう。

  • 第三者委員会の設置
    →近年では社内で不正またはその兆候があった場合、弁護士等から構成される「第三者委員会」を設置し、その調査にあたることが多くあります。
  • 監査意見に関する事項
    →監査法人から、決算情報又は会社の内部統制(会社の決算情報作成のためのルール)が適切である旨の証明を入手できない場合、以下の適時開示情報がリリースされます。下記の項目がないかどうかを、チェックしておくと良いでしょう。
    (1)財務諸表等の監査報告書における不適正意見、意見不表明等
    (2)内部統制監査報告書における不適正意見、意見不表明

    →また、下記の適時開示情報がある場合、監査法人との意見の対立があった
    可能性もあります。こちらもチェックしておいた方がいいでしょう。
    (1)有価証券報告書・四半期報告書の提出遅延
    (2)公認会計士等の異動
  • 内部統制の不備
    →会社の内部統制(会社の決算情報作成のためのルール)に不備がある場合、又は評価が実施できなかった場合、下記の適時情報開示が行われます。下記の項目がないかどうかも、チェックしておくと良いでしょう。
    (1)開示すべき重要な不備、評価結果不表明の旨を記載する内部統制報告書の提出

 - 有価証券報告書の使い方

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