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有価証券報告書情報を使った企業研究まとめ|就活生・転職者の企業研究

テレビ業界の企業研究

      2014/12/22

今やYoutubeやニコ動に押され、若者の視聴者が落ちたと言われるテレビ業界。そんなテレビ業界の有価証券報告書を就活という観点から比較してみました(下記情報は各社の2014年3月期の有価証券報告書より抜粋しています)。

今回の比較に利用したのは、全てホールディング会社である下記の4社です。

1.日本テレビホールディングス株式会社
2.株式会社東京放送ホールディングス
3.株式会社フジ・メディア・ホールディングス
4.株式会社テレビ朝日ホールディングス

また、 有価証券報告書ではありませんが、NHKも自社サイトで監査済の決算書を公表していますので、ここから得られる情報は可能な限り抽出しています。

 

高額と言われるテレビ業界の給与

まずは、各社の平均年間給料を見てみましょう。

企業名(略称)平均年間給与平均年齢
フジ1,506万円43歳
TBS1,499万円51歳
日テレ1,454万円51歳
テレ朝1,395万円42歳
NHK1,131万円40歳

(注)上記NHKの平均年間給与はNHK単体の決算書(平成25年度)の人件費をNHK ONLINE よくある質問集:「職員数、平均年齢、平均勤続年数を知りたい」に記載されている職員数(平成24年度)で割って算出しています。また、平均年齢も同箇所より抽出しています。

  • その上でですが、テレビ各社の平均年間給料は、マイナビニュースの[上場企業の年収ランキング]にある通り、全て上位10社以内に入っています。

 

テレビ業界の退職金比較[NHKと各社に大きな差]

1.退職金制度の内容

  • 各社とも確定給付型退職金制度を設けておりますが、NHK、日テレ、TBS及びフジでは確定拠出年金制度を併用しています。

2.退職金費用の比較

  • 退職金費用の年間計上額を従業員数を割ることで、一人当たりの(連結)年間退職給付費用を算出することができます。
    企業名
    (略称)
    連結退職給付費用
    [百万円]
    連結従業員数1人当たり退職給付費用
    [万円]
    NHK46,47615,400301
    フジ7,6776,234123
    日テレ1,7533,47150
    TBS3,0405,63453
    テレ朝2,2044,02154

    (注)上記NHKの連結従業員数は直近で取得可能な平成21年3月の数値です。
  • 上記より、NHKが民放各社よりダントツ高い(一番高いフジの約3倍)一人当たり退職費用を計上していることがわかります。また、フジは他の民放各社の約2.5倍の一人当たり退職費用を計上しています。

 

テレビ業界の放送事業トレンド[若者のテレビ離れによる影響は?]

NHK及び各社は、事業セグメントとして放送事業の規模が最も大きく、その他の事業として「音楽・映像事業」、「不動産事業」を展開しています。

また、フジはディノス等の通販事業も展開しています。

 

1.各社の放送事業セグメント売上高推移(連結)

(注)放送事業として、セグメント事業のうち、日テレはコンテンツビジネス事業(テレビ広告収入、番組販売、DVD等の販売含む)、TBSは放送事業、テレビ朝日はテレビ放送事業、フジは放送・制作事業の合算を集計

  • 上記グラフから読み取れるように、フジを除く各社の放送事業売上は2010年度以降上昇傾向にあります。

2.NHKの売上高推移(連結)

  • NHKの連結売上もはほぼ水平に推移しています。

3.テレビ広告費の推移

  • 2013年までのテレビ広告費(㈱電通調べ)の対前年比推移をみても、2008年から2009年にかけて、一時落ち込みはあったものの、その後は水平に推移しています。

 

4.テレビ各社放送事業推移まとめ

  • 上記より、ここ数年においてテレビ各社の放送事業は微増傾向が続いており、若者のテレビ離れ等による大きな落ち込みはみられません。
  • ただし、大和総研の調査によると、若者のテレビ離れ自体は進んでいるものの高齢者のテレビ視聴時間の増加により視聴率が下支えされているとのことで、「若者のテレビ離れ」による影響がでてくるのは今の高齢者人口が減少する10年から30年後になる可能性があります。
  • また、今後は高齢者向けの番組制作が増えていくと予想されます。

 

テレビ各社のセグメント別収益構造[放送事業で十分に稼げているか?]

1.民放各社のセグメント別利益構造(2013年度)

(注)放送事業として、日テレはコンテンツビジネス事業(テレビ広告収入、番組販売、DVD等の販売含む)、TBSは放送事業、テレビ朝日はテレビ放送事業、フジは放送・制作事業の合算を集計。フジの生活情報事業(通販等)、広告事業はその他として集計

 

  • 上記からわかる通り、TBSを除く民放各社では放送事業セグメントからほとんどの利益を稼いでいる状況です。
  • 一方で、TBSは放送事業で利益を獲得できておらず、不動産事業、映像・文化事業のセグメント利益がTBS全体の利益を支えている状況です。

 

2.民放各社の放送事業利益率推移

(注)放送事業として、日テレはコンテンツビジネス事業(テレビ広告収入、番組販売、DVD等の販売含む)、TBSは放送事業、テレビ朝日はテレビ放送事業、フジは放送・制作事業の合算を集計

 

  • TBSの放送事業セグメントの利益率は他社と比較して低水準で推移しており、放送事業の利益率改善が課題であると考えられます。
  • テレ朝の放送事業の利益率は2010年度以降上昇しており、2013年度に下降したフジを逆転しています。

 

テレビ業界の安定性比較

 

 

  • 各社とも、自己資本比率を50%後半から80%前後であり、また、一定の営業キャッシュ・フローを稼ぎ出していることから、現状では安定性に関する問題はなさそうです。

 

テレビ業界が抱えるリスクとは?

  • 各社とも事業等のリスクとして、以下の項目を挙げています。
  1. テレビ広告収入及び視聴率への依存
  2. オリンピックやワールドカップ等の放映権料の高騰
  3. 法的規制の影響(放送法が定める認定放送持株会社として放送法ならびに関係の法令に規制)
  4. 外国人等が取得した株式等の取扱い(外国人等が取得した割合が20%以上となった場合に認定持株放送会社の取消しの可能性及びその対策)
  • 中でも、テレビ業界の特徴として、テレビ放送以外の二次利用時(例:インターネットでの番組公開、DVD販売等)における著作権再取得の困難性が記載されています。例として、フジテレビの事業等のリスクでは下記の通り記載されています。

2) 放送事業における番組に関する著作権等について

当社グループの㈱フジテレビジョン及び㈱ビーエスフジで放送されるテレビ番組は、同社が著作権を保有するものと映画会社や制作会社等から放送権を購入するものに大別されます。

㈱フジテレビジョン及び㈱ビーエスフジが著作権を保有する番組については、文芸(原作・脚本)、音楽、美術の著作物や出演者、番組で使用されたレコードの著作隣接権が含まれており、放送以外の二次利用に際しては、それら権利者の許諾等が必要です。また、放送権購入による番組の著作権は制作会社等に帰属しており、当社グループ会社が放送以外にDVDの発売やキャラクターを使用したマーチャンダイジングなどの二次利用をする場合には、新たに許諾を得る必要があります。

番組の二次利用について契約で制限されている場合や、権利者から使用条件などの同意が得られなかった場合などには、番組の二次利用をすることができない可能性があります。

テレビ会社の役員になるには?報酬は?

1.役員(常勤取締役)の特徴

  • 各社の(常勤)取締役になっているのは新卒から入社して取締役まで上り詰めた、叩き上げの人がほとんどです。逆に言うと、現状では中途入社の人が取締役になるのは難しそうです。
  • 各社の(常勤)取締役は、昭和40年代から50年入社した人が取締役になっています。つまり、入社してから取締役になるまで約30年~40年以上かかっています。

 

2.各社の役員(常勤取締役)の平均年間報酬

企業名(略称)平均社内取締役報酬
(百万円)
社内取締役数
(人)
一人当り役員報酬
(万円)
フジ412113,745
TBS475123,958
日テレ405133,115
テレ朝554105,540
  • 各社の役員平均年間報酬は3千万円~5千万円です。

 

テレビ会社の株主はどんな人?

  • 各社の株主は、系列の新聞会社、東映、東宝等の映画会社等がおりますが、特に会社に重要な影響を与える株主は存在せず、主に持合株式目的の保有者で構成されています

 

 

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