企業研究物語:プロローグ 突然の訪問者
2015/02/01
「ねぇ、私、もぅ我慢できないの。してもいいかな?」
「え、でも先生とそんなこと、、、、」
「あなたは、私に身をよだねていればそれでいいの。」
「こんなことが世間にばれたら、、、」
「いいのよ。私が全部責任を持つから安心して。。」
「せ、先生~、そんなこと言われたら、僕の理性が長期休暇しちゃいそうです。」
「理性さんには、たっぷり有給を使わせてあげて!じゃあ、いくわよ!」
「ドンドンドン!」「ドンドンドン!」
「ピンポーン、ピンポーン、ピンピンピンピンピンポーン!」
強烈な、ノック音とチャイムで目が覚めた。
最悪の目覚めである。まだ、頭がクラクラする。
それに、なんだか変な夢を見ていた。
おかげで朝立ちが一向に収まらない。
「ドンドンドン!」「ドンドンドン!」
「ピンポーン、ピンポーン、ピンピンピンピンピンポーン!」
ノックとチャイム音が、6畳一間の小さな部屋に再び鳴り響いた。
「全く、朝から誰だろう。うるさい位に聞こえてるよ」
そう呟いて玄関を開けようとしたが、寸前の所で思いとどまる。
先ほどからの朝立ちがまだ収まっていなかったのだ。
このまま玄関を開けたら「2秒で変態」となることは確実だ。
僕は仕方なく、興奮を抑えるため、いつもの解消手段を実行に移した。
「世界に未だ存在する、貧困や餓死、小さな頃から学校にも行けず、過酷な労働を強いられている子供達」
いつかのテレビ番組で見た社会問題の映像を頭の中で思い巡らせた。
ようやく興奮が収まって、アレはいつもの正常な状態に戻っていった。
しつこい位にノックされていた玄関を空けると、何者かがドバッと玄関から入ってきて、僕を部屋に押し倒した。
突然の訪問者は、僕の体の上に重なる様に倒れ込み、2人は体を重ねたままの状態で、玄関で抱き合う格好となった。
顔の上には、柔らかい物体が乗っかり、心地よく顔全体を覆っている。
このまま、柔らかな感触に包まれているのも悪くはなかったが、押し倒された反動でフローリングの床にぶつけた背中が痛みだした。
顔を覆った物体をそっと手で押しのける。
「もぅ~、びっくりするじゃないのよ!」
突然の訪問者は、そういいながら起き上がった。
「え~っと、どなたですか?」
柔らかな感触が未だに手のひらに残っている。
グラマラスなスーツに赤色のメガネをかけた、長身の女性がそこには立っていた。
先程の倒れ込みのせいか、アップにセットされた髪が少し乱れている。
「何のご用件でしょうか。?」
何かの営業訪問に違いない。そうでなければ、男の一人暮しワンルームに、見知らぬ女性が訪ねてくる理由が浮かばない。
ならば、早めに追っ払った方がいい。不要な商品を買う金などこちらは全くないのだ。
「その前に、あの、、」
女は、少しもじもじしながら、上目使いでこちらを見ながら言った。
「私、もぅ我慢できないの。。。。。」
部屋の奥を指差して、女は僕に懇願した。
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